Beethoven String Quartet F-dur Op.18-1
第四楽章 Scherzo Allegro molto
ファーストヴァイオリン
事故 | 推定原因とコメント | 楽譜 | |
全体 | 楽しい楽章です。曲に慣れればアンサンブルが難しいことはないと思います。 | ||
1 | 転ぶ | 冒頭の三連音符のパッセージは気持ちよく、しかも弾きやすいのでテンポが速くなりすぎることがあります。三連音符をコントロールできるテンポで始めてください。 | 4-1-Vn1 |
71 | 弾きにくい | 73小節の音型は、私は同じポジション内で弾いてしまいます。Aの音をA線の4でとるのは抵抗感があるかも知れませんが、全体の音程が正確に取れること、sfの音を確実に処理できることの利点があります。307小節でも同様にします。 四重奏の演奏ではあるパッセージを安定して弾くためにこのように同一ポジションで弾いたほうが良い場合が頻繁にあります。表現を目的とする以外のポルタメントは禁止が原則です。 A線やD線の第6,7ポジションを練習しておくと非常に便利です。 |
4-71-Vn1 |
166 | 落とし穴 | Vn1の入りは1小節詰まっています。つまりVa,Vn2の前例にしたがって入ると1小節遅れでアウトです。ガイドが必要です。
(しっかり数えれば良い。といえばそれまでですが、私は普通の感覚にしたがって入ると間違えるところを落とし穴と呼んでいます。作曲家が一ひねりしたところや、無理をしたところが落とし穴です。合奏は数えるものではないと信じております。) |
4-1-Vn1
4-71-Vn1
セカンドヴァイオリン
事故 | 推定原因とコメント | 楽譜 | |
全体 | 次に挙げる点を除いては問題ないと思います。 | ||
129 | 落ちる | 129−131小節は少しポリフォニックな部分から和声的な部分に切り替わる小節ですのでまごつきます。ガイドが役立ちます。 | 4-129-Vn2 |
140 | 説明 | 137−142にシンコペーションが表れますが四重奏では頻繁に現れる形ですので説明をしておきます。 これはリズムを補填しているシンコペーションです。つまり137小節ならばVn1のGes, esはその小節の1拍、4拍であり、抜けている2拍、3拍をVn2のG,Asで補い、全体としては8分音符が四つ並んでリズムを刻んでいる格好になります。ぶつ切れで書くのは曲想に合わないのでスラーでつないでいるわけです(シンコペーションによる拍の移動を有効に使っている)。 したがってシンコペーションを意識せずにリズムを刻むつもりで演奏すれば良いのです。 |
4-140-Vn2 |
4-129-Vn2
4-140-Vn2
ヴィオラ
事故 | 推定原因とコメント | 楽譜 | |
全体 | 合わせにくいところはないと思います。 | ||
215 | 215-218小節を効果的に鳴らすためにはヴィオラの働きが必要です。 | 4-215-Va | |
318 | 318の前は逆弓になっています。このまま弾く318小節でふらつきます。 | 4-318-Va | |
Coda | 終曲の部分ですが外声部は遠く離れており、Vn2,Vaに十分なスペースが用意されております。そして曲を纏め上げる作業が任されております。374小節からVn2とVaが交互に3連音符のパッセージを弾きますが、ここは非常に明確に、しかも十分な音量で演奏しないと貧弱になります。 Vn2,Vaに名手がいるグループとそうでないグループとの差が歴然とするところです。差をつけましょう。 |
4-Coda |
4-215-Va
4-318-Va
4-Coda
チェロ
事故 | 推定原因とコメント | 楽譜 | |
全体 | 譜面通りにあっさり弾くだけならばなんということもありません。多いに楽しめますが、しっかりとした発音が必要です。 | ||
83 | 83小節は一例です。やさしいエチュードのようですが、ここではVaはメロディに加わっており、Vn1,Vn2,Vaのクレッシェンドにふさわしい音量が必要になります。そして87小節からはチェロがメロディを弾きます。 | 4-83-Vc |
4-83-Vc