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Beethoven String Quartet   A-dur Op.18-3

第一楽章(Allegro ) 

 

 

ファーストヴァイオリン 

 小節 事故 推定原因とコメント
全体   穏やかで温かい感じがする楽章で、ファーストヴァイオリンにとっては楽しい楽章です。完璧に弾けるかどうかの個人の技量は別として、アンサンブルという点では特に気をつかうことはありません。
1−10 丹念に美しく 初めの二つの全音符は重要な動機ですが、ここでは序奏でしょうか?どのように感じるかで弾き方が変わってきます。
こんな簡単なメロディーが納得ゆくように弾けないのが室内楽の奥深さですし、楽しさだと思います。
68-75 ピアノです。 sfがたくさんついていますが、曲想はpです。初めて弾く方は良く間違えます。
232-235

全部第6ポジションで弾きます。弦楽四重奏ではA線とD線のハイポジションをしっかり自由に弾けるようにすることはファーストヴァイオリンの必須事項です。とくにA線は重要です。

 

セカンドヴァイオリン

  事故 推定原因とコメント
全体 やさしい ほとんどコメントするところはありません。いかに仕上げるかという問題だけです。
127-134  うっかり 130小節から始まるソロのために緊張する結果、127小節あたりで落ちてしまい練習を重ねたソロのご披露どころではなくなります。139小節から堂々としたソロがはじまります。立派に弾きましょう。
154 テーマの再現

セカンドヴァイオリンで主題が再現されます。ppですが、しっかりと表情のある演奏が必要です。
154小節からは、ファーストヴァイオリンが正確に弾けない場合がありますので、刻みをきっちり合わせるのは至難です。ファーストヴァイオリンが正確に弾ける人の場合には、今度は表情をつけますので、また合わなくなります。縦の線が揃わないのはとにかくみっともないです。

ヴィオラ

  事故 推定原因とコメント
全体 よく落ちる なんでもなさそうでも、よく落ちました。
110-122 落とし穴 展開部が始まったところです。ヴィオラの楽譜を見る限り、俺は絶対大丈夫と思うでしょうが、これは落とし穴です。ファーストヴァイオリンのガイドを書いておきましたが、つられやすいのです。122小節に行けば分るなんて不精なことは考えないでください。1、2,3、、、と数えるのは最後の手段です。


チェロ

  事故 推定原因とコメント
全体   アンサンブル上は難しくないのですが、恥のカキ場があります。ここさえなければとても楽しい楽章です。
51 恥ずかしい Sempre Staccで音階を弾くだけなのですが、同じことを58小節からファーストヴァイオリンがいとも軽やかにやるのです。指が一本足らないチェロの悩みなどお客様は考えてくれません。難しいといっても音階でしょ、、。こんなことを考えているとあろうことか、E音が外れたりするのです。
154 難しい 速いテンポでffで弾くのは大変です。ということで一生懸命がんばるのですが、その結果縦の線への配慮はすうーっと抜けてしまいます。
単純な二つの要求があるのです。最強の音で、かつファーストヴァイオリンにぴったりあわせて。

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