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Beethoven String Quartet   D-dur Op.18-3

第四楽章 Presto 

 

 

ファーストヴァイオリン 

  事故 推定原因とコメント
全体   4楽章をPrestoで演奏するのは大変です。だんだん速くなりがちですのでしっかりテンポを制御する能力のある人だけがPrestoで演奏可能なのかもしれません。Prestoでの安全運転はむつかしいです。
上機嫌のベートーヴェンが目に見えるような楽章で、アンサンブルとしてはとても楽しく、引っかかるところは2点ほどです。
114-132 ベートーベンらしい。 ラズモフスキーの2番や14番のスケルツォにでてくるベートーヴェンの好きなモザイクです。コツが飲み込めない方にはほんとにシンドイ場所です。スコアを例示するのが良さそうですが、パート譜で弾かなければならないのですから敢えてパート譜を並べます。

どちらの方法が効果的だと思いますか?
1)ガイドを書いてお互いに聞き合う。
2)自分のパートに集中してしっかりとリズムを刻む。

普通は1)が正解ですが、この場合には2)が良いと思います。
二つ振りでメトロノーム=160位のテンポで演奏されますので誰がどこから入るなどということは、フレーズが極めて短いので、実際には追っていられません。ここの部分を「聞き合ってやりなさい」と指導する方は本当に弾いたことがないのではないかと思ってしまいます。

このようなところでミスると、全体が止まるという危機につながります。必死になるところです。練習方法ですが:

例えばメトロノーム160に合わせて自分のパートだけは完璧に仕上げてください。次にメトロノームを80にして1小節を1拍で練習します。

アウフタクトになっている3連音符の正確さはニの次にして、とにかく主拍の部分が正確に取れるようにしてください。

そして全員で合わせてみて、テンポがよどみなく進むようになれば三連音符の正確さ、全体のつながりという風に仕上げて行くのがよいと思います。

この部分が出来あがった感じは、、「風のごとく、さっと通り過ぎる感じです」 そして、ちゃんと聞き合うことが出きるようになっているのです。


Vn1

Vn2
その他

技術的な面から言えば多くの問題があります。特に弓使いについては色々工夫しないと弾けないところがあります。例えば50小節の弓使いなどはVn1,Vn2、Vaは打ち合わせをしておく必要があります。
しかし、個人練習さえしっかりしておけば、合奏をしてみて合わないというところはありません。そのような意味でテンポさえゆっくりやれば、アマチュアには絶好の曲だと思います。

セカンドヴァイオリン

  事故 推定原因とコメント
全体   個人練習は必要ですが、全体に合わせやすく楽しい楽章です。落とし穴めいたところはないと思います。
細かいところを書き始めるとキリがないので省略します。

ヴィオラ

  事故 推定原因とコメント
全体   私が弾きなれているせいもあるのでしょうが、特に難しいとか、合わせにくいと思ったところはありません。全く始めてならばテーマの弾き方自体、かなり難しいのかも知れません。

 

チェロ

  事故 推定原因とコメント
全体   本当のチェリストにはやさしい楽章ではないかと思いました。私のチェロはヴァイオリンやヴィオラに比べて数等下手ですので大分技術的に苦労します。
ヴァイオリンのような弓使いができないので、すべてのフレーズで苦しみました。しかしこの楽章で合わせにくいというところはありませんでした。

ガイドが欲しいなと思ったのは下記の1箇所でした。

330 分りにくい コーダを目前にしてメンバーも盛りあがってきます。転がるように駆け下りてくるファーストヴァイオリンをしっかり受けとめる必要があります。
チェロには8小節のタイがかかっており、cresc.をかけていますが上手くヴァイオリンと呼吸をあわせるにはガイドが会ったほうが安心できます。

 

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