目次に

Mozart String Quartet  K171

1楽章のAllegro assaiのテンポはどのくらいが良いのでしょうか。なぜAllegroではないのかと考えると寝られなくなります。assaiで弾くほど曲想が前に走らないと思いませんか?それに1楽章のテーマも29小節に発想記号が欠落しているような気がします。しかしPeters, Baerenreiter, Breitkopfも一様に沈黙をまもり括弧付きで発想記号を補うことをしておりません。

確かにVaがバスを担当していること自体ここの楽想はピアノであることを暗示しています。また36小節のチェロの入りはピアノと指示されていますが、これもこのパッセージがピアノで演奏されることを示しています。するとこの楽章かAllegro Assaiにはいってから29小節もピアノが続くことになります。本当でしょうか?

2楽章のメヌエットがとても素敵な曲です。ヴィオラにとってトリオは喜びに満ちています。

3楽章は少しギクシャクしています。

4楽章はイタリア的で楽しい楽章です。

ファーストヴァイオリン

1楽章 Adagio-Allegro assai-Adagio 

  事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   アンサンブル上難しいところはありません。  
1−4 Adagioのこのようなところはテンポを一定に保つのが難しいです。(揺らす理由がなければ一定でなければならないのですが、、) k171-1-1
23 突然 突然13度の跳躍をして元気の良いパッセージに飛びこみますが、ここはなんとも強すぎる対比ですね。モーツァルトはどんなつもりで書いたのでしょう?ここには発想記号の指示がありません。フォルテで演奏したい気分ですが、それをモーツァルトは常識と考えて何も記入しなかったのでしょうか?とにかく決めなければ演奏になりません。 K171-1-23
59 トリラー このようなトリラーは意外に数が多いのはご承知の通りです。ターンなどでごまかしてはなりません。たくさん出てきますが、丁寧なトリラーを弾かないと華やかさが全く失せてしまいます。 K171-1-59


k171-1-1

K171-1-23


K171-1-59

2楽章 Menuetto

  事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   かわいらしいメヌエットです。問題はないと思います。Breitkopf版だけは、テーマの音符のスラーが違っています。 K171-2-1
うっかり 6小節目はたっぷりした音が必要ですが、刻みに熱心過ぎると弓の都合でフォルテが出なかったりします。 K171-2-1


K171-2-1

3楽章 Andante

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   8分音符を基礎にした器楽的なポリフォニーで書かれていますので分りやすくて落ちるところもないと思います。  


4楽章 Allegro assai

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   ナポリ四重奏のような響がします。特に問題はないと思います。Vn1には高いg音が出てきますが、はずす可能性のある方は良くさらってください。  

 

セカンドヴァイオリン

1楽章 Adagio-Allegro assai-Adagio 

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   落とし穴もなく、難しいところもないだろうと思います。  
8 重要 8小節の第3拍から始まる16分音符は重要です。それまでの少し軋んだ感じの音楽が一挙に天上の響きに変化するきっかけの16分音符です。どのように演奏するかですが、力んでも駄目ですし、ぼやけても駄目です。心をこめて音楽的に、、、しか言いようがないと思います。 K171-1-8

 

K171-1-8 

2楽章 Menuetto

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体 美しいメヌエットです。難しいところはありません。

 

3楽章 Andante

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   8分音符を基礎とした1:2で書かれています。2声部のところがあります。貧弱にならないように豊かな音で弾く必要があります。 K170-3-28

 

4楽章 Allegro assai

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   余程速いテンポで演奏しないがぎり何も起こらない楽章です。  

ヴィオラ

1楽章 Adagio-Allegro assai-Adagio

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   ヴィオラにとって楽しみの多い楽章です。難しいところはないと思います。  
23-34 意外? 23小節から34小節まではヴィオラがバスパートです。これを自覚して明瞭に弾いてください。 K171-1-23



K171-1-23

2楽章 Menuetto

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   素晴らしいソロがあり最高にご機嫌な楽章です。  
26   トリオでのヴィオラのソロには拍手喝采です。ヴィオラの音色を聞かせるために他の全てのパートには音量を調整してもらいましょう。ヴィオラを強い音で弾いたら音色が変わってしまいます。
あくまで自然体で穏やかなヴィオラが聞かせましょう。
K171-2-26


K171-2-26

3楽章 Andante

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   難しくないと思います。  

 

4楽章 Allegro assai

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   問題はありません。楽しく弾きましょう。  

チェロ

1楽章 Adagio-Allegro assai-Adagio 

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   アンサンブル上の難点はありません。  
3 数えるな! Vn1のソロです。色々な状況がありテンポを一定に保つことは難しいことです。Vn1がD音に入るときに合わせましょう。このようなところは自分のテンポでカウントしてはなりません。 K171-1-1
15 Vn2に合図 曲想が大きく変わる起点になる音です。すぐに16分音符でVn2が入ってきます。お互いに自分の楽譜は暗譜していて顔を見合わせてから入るくらいの余裕が必要です。 K171-1-1
35 ガイドを書きましょう 13小節、17小節等の長い休みがあります。数えるのは非音楽的です。 K171-1-1



K171-1-1


2楽章 Menuetto

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   気持ちの良いメヌエットです。ヴィオラに気をつかってあげましょう。  

3楽章 Andante

  事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   アンサンブルは問題がないと思いますが、c-mollは割合に音程がとりにくいです。運指は考えておくべきです。  

4楽章 Allegro assai

小節数 事故 推定原因とコメント 楽譜
全体   安泰だと思います。